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【動画】伝説野球漫画続編「プレイボール2」作品レビュー!

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ニョッキーです。
今回は2021年今年完結した「プレイボール2」という漫画について語りたいと思います。

まずはあまりご存じでない方に簡単にご説明します。
まず「プレイボール」は、ちばあきお先生の「キャプテン」という作品の続編となります。
「キャプテン」は中学の野球部の4人のキャプテンとその野球部員の活躍を描いた物語で、私は全ての漫画の中で「キャプテン」が一番好きな漫画です。
さらには「キャプテン」の最初のキャプテンである「谷口タカオ」さんを尊敬しております。
その「谷口タカオ」の高校時代の活躍を描いたのが「プレイボール」となります。「プレイボール」は週刊少年ジャンプで連載されました。当然、ジャンプ史上最高の野球漫画だと思います。
この「プレイボール」ですが、22巻で終了となります。
ストーリー的には、新1年生が入学し、練習試合で強豪校にボロ負けして、ここから再びがんばろう!という、まさにこれから甲子園を目指すぞ!
という時の終了。終了の理由はちば先生の心身の限界というものでした。
そしてその後、ちば先生は自ら命を絶ってしまいます。
これにより、もう「キャプテン」「プレイボール」の続編は見られないものとなってしまいました。

しかし、2017年『グランドジャンプ』にて38年ぶりに続編が復活!
描くのはコージィ城倉でした。コージィ城倉先生は「おれはキャプテン」や「グラゼニ」の原作など、野球の知識については申し分ない方であり、絵柄もかなりちば先生のものに近いものでした。
実際、連載告知のカットは、まさに「復活」と言えるものでした。
そして肝心の内容ですが、これも連載告知にあった
『コンセプトは「何も足さない何も引かない」』
と書いてあり、作品の世界観を守ってくれることと思われ期待しました。

そして始まった連載。絵については、「さすが」という感じで、見事に「プレイボール」の世界観を守ってくれたと思います。
コージィ城倉先生はちばてつや先生との対談で、

「わかりやすいところだと、画面構成ですよね。一見シンプルに見えますけど、実は細かな部分まで気を配らないと、“ちばあきお風”にはならないんです。」
「カケアミの文化」
「カケアミとベタの配分で、光と影の緩やかなグラデーションを表現するというのが、世に言う“ちば調”。」
「ロングの美学」
「野球シーンを写真で撮ったままのような比率で描いてしまうと、球場の中にいる選手というのは異様に小さくなっちゃうんですよ。それではマンガとしての面白さが伝わらないので、内野手も外野手もわざと大きく描いています。」

などと語っており、作画についての理解とこだわりを持って書いておられたようです。だからこそのあの作画であり、私はオリジナルのファンとして大変満足しております。

では、「ストーリー」はどうでしょうか?
これについてはコージィ城倉先生の「理解不足」「おふざけ」「暴走」「力不足」などが感じられる部分が感じられました。
まず、「谷口さんの性格」についてです。
「プレイボール2」の中で、たびたび谷口さんは誤った判断や行き過ぎた行為を繰り返し行います。
これに違和感を感じました。
勿論谷口さんは元々ヘタクソでしたしコミュニケーション能力も高くない人間ではありますが…。
「堅実、誠実、真面目」といった人間性であると私は思います。
私にも明確な定義というのは存在しませんが、
「そういう判断は谷口さんはしない」
「そんなことは谷口さんは言わない」
という場面が多数ありました。
これについて私が「谷口信者」だからではない、という明確な証拠があります。
コージィ城倉先生は2021年5月25日にラジオ番組「伊集院光とラジオと」に出演し、「プレイボール2」について語りました。その際に、最初「始める前まで4人のキャプテンくらいしか記憶になかった」という発言がありました。
また、コージィ城倉先生流の考えを貫き通したというような話もありました。
つまり、「キャプテン」「プレイボール」という作品に対しての思い入れが浅かったのです。
ですから細かい部分まで谷口さんの性格を把握しておらず、よりリアルな言動行動を想像できなかったのだと思います。
その他の細かい不満を言わせて頂くと、
前半、妙に井口をピックアップしたり、
めちゃくちゃヘタクソだった半田を「上手くて頭の良いやつ」にひいきしたり、
「VHS対ベータ」の話を持ち込んだり。
そして、残念だったのは「試合内容が同じ」という点。
物語りの終りのほうの試合はいつも「相手にリードされるか逆転され、最後に逆転」という感じで、どの試合も似たような印象でした。
ですから野球の試合展開の醍醐味に欠けていました。
2021年に完結した訳ですが、この終わり方、「甲子園には行けない」というのは、これで良かったと思います。
そして、谷口さんのその後は「キャプテン2」のほうに引き継がれていきます。
まとめとしては、「不満がありながらも時代を飛び越えて楽しめた作品」でした。
ありがとうございました。

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