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手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』封印されし伝説回

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手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』封印されし伝説回

6/8(日) 18:00 マグミクスというサイトの記事です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f1fdcab80329c9da123402993481914be4bad73
手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』単行本に収録されていない「幻の回」があります。
有名な話ではありますが、ここで改めて紹介します。

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

■第28話「指」
「週刊少年チャンピオン」1974年6月24日号掲載
かんたんにいえば、指の手術の話です。
「指」は一度も単行本には収録されていません。第227話「刻印」に改作されて収録されています、間久部が多指症で差別されていた部分と、証拠の指の部分、エンディングの部分が差し替えられたストーリーになっていました。ほとんど同じストーリーですから、単行本に収録されなくなったのもうなずけます。

■第41話「植物人間」
同1974年9月23日号掲載
脳の手術の話です。
「植物人間」は少年チャンピオンコミックスの初期には掲載されていましたが、その後は別のエピソードにさしかえられ、一度も単行本に収録されていません。

■第58話「快楽の座」
同1975年1月20日号掲載
「スチモシーバー(脳埋込チップ)」に関する話です。
「快楽の座」はこれまで一度も単行本に収録されることはありませんでした。

『封印作品の謎』(著:安藤健二/大和書房)に掲載された手塚プロダクション松谷孝征社長へのインタビューでは、単行本収録の作品は手塚先生自らが選んでおり、本人の「出したくない」という意向をいまでも尊重していると語られていました。「指」「植物人間」「快楽の座」の3話については、手塚プロダクションの意向によって、今後も単行本収録の予定はないとアナウンスされています。

とのことです。

▼私は『ブラック・ジャック』のファンで、全巻持っていますので、
どこかで読めるのであれば読んでみたいですね。
手塚先生が出したくなかったのでしたら、仕方ないですよね。

6/8(日) 18:00 マグミクス(大山くまお)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f1fdcab80329c9da123402993481914be4bad73

■「大全集」でも収録されなかった封印エピソード

 手塚治虫先生の不朽の名作『ブラック・ジャック』には、現在、単行本に収録されていない「幻の回」があります。どのような話か、ご存知でしょうか?

『ブラック・ジャック』は何度も単行本化されています。初期の少年チャンピオンコミックスには、いくつか収録されなかったエピソードがありました。これは当時のコミックではよくあったことです。『ドラえもん』にも単行本に収録されなかったエピソードがいくつもあります。

 決定版と言えるのが、2012年に刊行された『ブラック・ジャック大全集』(復刊ドットコム)です。雑誌掲載時と同じ順番で、それまでの単行本のなかでも最も多くのエピソードを収録していますが、それでも収録されなかった3つが「幻の回」ということになります。

※以下、エピソードの結末にふれています。

 ひとつ目は、第28話「指」(「週刊少年チャンピオン」1974年6月24日号掲載)です。少年時代の「ブラック・ジャック」は車いす生活を送っており、多指症で周囲から差別されていた「間久部緑郎」と、お互い励ましあって過ごしていました。その後、犯罪組織のボスになり、指名手配中だった間久部は、指紋を変えてくれるようブラック・ジャックに頼みます。指ごと交換する手術は成功しますが、間久部は口封じのためにブラック・ジャックを殺害しようとします。

 逮捕された間久部は証拠の指紋がないので無罪を主張しましたが、九死に一生を得たブラック・ジャックから証拠が届きます。それはかつて学生時代にブラック・ジャックが切除した間久部の6本目の指でした。指紋も照合可能になり、間久部は追いつめられます。ブラック・ジャックは友情のむなしさを感じながら立ち去っていきました。

「指」は一度も単行本には収録されていません。第227話「刻印」に改作されて収録されています、間久部が多指症で差別されていた部分と、証拠の指の部分、エンディングの部分が差し替えられたストーリーになっていました。ほとんど同じストーリーですから、単行本に収録されなくなったのもうなずけます。

 ふたつ目は、第41話「植物人間」(同1974年9月23日号掲載)です。豪華客船が事故に遭い、手当の遅れた母親が脳死状態になってしまいます。幼い息子の懇願を聞き入れたブラック・ジャックは、母親の脳がまだ生きているかもしれないと考え、周囲の医師の反対を押し切って、息子の脳と母親の脳をつなぐ手術を決行。そして、脳に電流を流すと、息子は涙を流し始めます。

 手術後、息子は真っ暗ななかで母親に会ったことを語りました。母親は息子を抱きしめながら、「ええ生きてますとも 死んでなんかいないわ」「おかあさんのきずはね いまのお医者にはけっしてなおせないわ」と語りかけ、医者になりたいと言っていた息子を「お医者になったらおかあさんをなおしてね」と励まして姿を消しました。手術に反対していた医者はうなだれますが、医者になると強い決意を示す息子を背にブラック・ジャックは黙って病室を出ていきました。

■2作品が「門外不出」となったワケとは?

 3つ目は、第58話「快楽の座」(同1975年1月20日号掲載)です。ブラック・ジャックは「スチモシーバー(脳埋込チップ)」を使った動物実験を見学していました。スチモシーバーを脳に埋め込まれた動物たちは博士の命令通りに動きます。博士はこの装置を使って人間からネガティブな感情を消し去ろうと考えていました。ブラック・ジャックは警告しますが、金持ちの夫人に依頼された博士は、うつ病の息子の脳にスチモシーバーを埋め込む手術を行います。

 息子は笑うようになりましたが、笑ったまま博士を刺して病院から逃亡し、自宅で母親を殺害しようとします。ブラック・ジャックは麻酔で息子を眠らせると、スチモシーバーを除去する手術を行いました。息子は元に戻り、ブラック・ジャックは「こんごぜったいに勉強をおしつけない」「すきなしゅみをさせる」などの処方箋を母親に渡すと、処方箋料として3千万円を請求して不敵な笑みを浮かべるのでした。

「植物人間」は少年チャンピオンコミックスの初期には掲載されていましたが、その後は別のエピソードにさしかえられ、一度も単行本に収録されていません。「快楽の座」はこれまで一度も単行本に収録されることはありませんでした。では、なぜ「植物人間」と「快楽の座」は「幻の回」になったのでしょうか。

『ブラック・ジャック』では、第153話「ある映画監督の記録」(同1977年1月1日号掲載)で、脳性マヒの少年を「ロボトミー手術(前頭葉の切除手術)」で治療するエピソードが描かれています。しかし、この回は障がい者団体や支援者グループから「ロボトミーを美化している」と批判され、手塚先生も非を認めて謝罪しました。

 ロボトミー手術は、かつて精神疾患の治療に用いられていましたが、合併症や人格変化などの弊害が多く、1975年5月に日本精神神経学会が精神外科を否定する決議を可決して、ロボトミー手術の廃止を宣言しました。「植物人間」が収録された単行本4巻の発売から約2か月後のことです。

「ある映画監督の記録」で描かれた治療は正確にはロボトミー手術ではありませんでしたが、「ロボトミー」という言葉が使われていました。「植物人間」では「頭蓋骨切開」に「ロボトミー」とふりがなが振られていますが、これも手塚先生の誤用です。

「ある映画監督の記録」は、脳性まひの治療を「デルマトミオージス(皮膚筋炎)」の治療に差し替え、「フィルムは二つあった」と改題して単行本に収録されました。しかし、「植物人間」と「快楽の座」は精神外科手術そのものがテーマであり、差し替えが難しいことから単行本収録を見送ったと考えられています。

『封印作品の謎』(著:安藤健二/大和書房)に掲載された手塚プロダクション松谷孝征社長へのインタビューでは、単行本収録の作品は手塚先生自らが選んでおり、本人の「出したくない」という意向をいまでも尊重していると語られていました。「指」「植物人間」「快楽の座」の3話については、手塚プロダクションの意向によって、今後も単行本収録の予定はないとアナウンスされています。

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